2005.07.02 暑寒別岳
フォト山紀行
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 前日の夕方には雨竜沼湿原ゲートパークに到着した。入山届を前もって書いておくために管理棟に用紙をもらいに行き、明朝は早く出発するつもりなので早朝に提出できる場所を聞く。すると今書いて提出してもいいという。用紙の一部を切り取って持って行き、それを下山したときに箱に入れる仕組みになっていた。
 ゲートパークにはキャンプ場や宿泊施設もある。ゲートを越えなければこれらの施設を使ったり、入山できないような構造にしてあり、管理棟の職員の数も多く、ゲートの通過を厳重に管理しているようすだった。ゲートという名前の通りの機能を持っているようだ。
湿原入口。外部の植物の種を持ち込まないように靴底を洗うためのブラシが置いてある。
湿原入口付近から見る暑寒別岳。あまりにも遠くに見え、歩けるかどうかが心配になるくらい。
 5時前にゲートパークを発つ。1時間ほどで雨竜沼湿原の入口に。湿原には背の高い木は全くなく、取り巻いている山も低くてなだらかで湿原が視野全体に広がり、尾瀬ヶ原の東西6km、南北2kmに対して雨竜沼湿原は東西4km、南北2kmであるにもかかわらず雨竜沼湿原の方がはるかに広く見える。この広大な湿原のはるか向こうに残雪のたっぷりある南暑寒別岳と暑寒別岳も見える。
湿原を抜けて登りにかかる頃には暑寒別岳が意外なほど早く近くに見えるようになり、少し登ればもう間近だ。
 湿原を抜けて登りにかかると、虫がしつこく寄ってくる。手で追い払ったり、腕や手にとまるのをパチンとたたいたりしながら、雪融け水が流れて滑りやすいところや雪で覆われているところがある道を1時間とちょっと歩くと南暑寒別岳に着いた。
南暑寒別岳から見る郡別岳と連なる尾根
南暑寒別岳から見る暑寒別岳
 南暑寒別岳の西側には郡別岳を盟主のようにする山脈が走り、北には暑寒別岳がそびえている。いずれも残雪が多く斜面の低いところまで雪があり、堂々としていてとても1,500mに満たない山とは思えない。広域地図で暑寒別岳を見て海に近い山と思いこんでいたが、こうして南暑寒別岳の山頂に立つと、西にはほぼ同じ高さの山脈が、北には暑寒別岳があり、東には遠く雨竜沼湿原が見え、海に近い山であることを示すような景観は全くない。
 これから向かう暑寒別岳へのルートがどうなっているかと目を凝らすと、東側の斜面には雪がたくさんあるが稜線にはなく、雪の上を歩くところは多くなさそうだ。標高差も距離もあまりないが、間にある鞍部がずいぶん下の方にあり、南暑寒別岳からの下りが急で山頂からはようすが見えない。地図を見ると鞍部まで250mほど下り、鞍部と暑寒別岳の標高差は450mほどある。大雑把にいえば、往復するのは700mくらいの山に登って下りてくるのと同じくらいの運動量が必要ということで、そんなに簡単ではないことが分かった。
 鞍部まで下りると花も多くなり、暑寒別岳までは花をたくさん見ることができた。また残雪の豊富な暑寒別岳がだんだんと近づく景観や群別岳の堂々たる姿を見ながらの歩きで大いに楽しめた。
 残雪がたくさんあったので花はあまりないかと思っていたが、山頂付近には花がたくさん咲いていて驚いた。
 南暑寒別岳に戻ってきたときには、大勢の人が山頂にいて暑寒別岳の道についていろいろと聞かれたり、シャッターを押してほしいと何人もの人から頼まれた。でも暑寒別岳に向かう人はほとんどなく、往復する間に会ったのは5,6人だった。このあとゲートパークに戻るまでに多くに人にあったが、雨竜沼湿原を歩きに来る人が多く、中には雨竜沼湿原の入口でもういいという人もいて、南暑寒別岳に登る人もどちらかといえば少数派のようだ。
暑寒別岳山頂
 2時にはゲートパークに戻った。雨竜町が雨竜沼湿原環境美化整備等協力金として500円の拠出を呼びかけていたので、暑寒別岳を十分楽しむことができたお礼の気持ちで応じ、ゲートパークを後にした。

 雨竜町いきいき館に寄り温泉に入った後、稚内方面に向かった。
 湿原の木道を歩きながら見ると、まだ所々に雪が残っており、目立つ花はミズバショウとショウジョウバカマだ。雪が消えて間もないらしく、いろいろな花が咲くのはもうちょっと先のようだ。今年の雪融けは例年より2週間遅いということをあちこちで聞くが、ここでもやはり遅かったようだ。